メリーポピンズ(1965年公開)
あらすじ
ロンドンに住むバンクス家一家。厳格で仕事ばかりな父、女性の参政権運動に夢中な母。そんな両親の元に生まれたのは、姉のジェーンと弟のマイケル。2人は遊び盛りで、言うことも聞かず、乳母もすぐにやめてしまった。そんなときに風に乗ってやってきたのが、魔法使い「メリーポピンズ」。優しくて歌も上手で美人なメリーポピンズに子どもたちは大喜び。しかし、厳格な父は、彼女の事を快く思っていなかった…。
出演者
メリー・ポピンズ役 ジュリア・アンドリュース
バート役 ディック・バン・ダイク
バンクス役 デビッド・トムリンソン
レビュー
【観る世代によって見方が変わる名作、メリーポピンズ。】
私はこの映画を、観る世代によって感想が変わってくるところがひとつの面白みだと思っています。
子どもの頃に観た時は、「オトナの難しさ」なんて分かりません。だからジェーンやマイケルなど子ども目線で観ていて、「メリーポピンズみたいな人に出会いたい!」とか「カラフルでアニメとのコラボかわいい」と思っていました。
でも大人になって改めて観ると、子どもの頃に思った感想は変わらず持ち合わせつつも、父親目線で観ている自分がいたり…。
毎日冷たい銀行に通って…家庭も顧みず仕事で日々に忙殺され。
でもメリーポピンズとの出会いで、目の前の幸せに気が付き、大切にしたら、また仕事でもハッピーな出来事が舞い込んでくるという好循環が生まれる。
年を重ねてから観ると、大人の視点から観られるようになっていて、深みが増す、そんな映画だと思いました。
ウォルト・ディズニーの約束(2014年公開)
あらすじ
奔走していた。原作者であるパメラ・トラバースを説得するが、難航する事20年。やっと本人に会うところまでたどり着いた。しかし、トラバースは、映画の制作者たちの提案する脚本に対し、ことごとく拒否していく。なぜトラバースはこんなにも「メリーポピンズ」を守ろうとするのか。そしてウォルトは映画化実現に向け、トラバースとある約束をする。
出演者
ウォルト・ディズニー役 トム・ハンクス
P・L・トラバース役 エマ・トンプソン
レビュー
【「メリーポピンズ」に対する思い入れがより一層深まる1本】
素敵な作品だけど、何気なしに観ていた一本。(笑)
でもこの映画を観たら、思い入れが深くなり、劇場公開に至れた事だけでも凄いことだと感じざるを得ません。
どんな映画もそうだと思いますが、沢山の人の思いがあって完成します。
でもメリーポピンズに関しては、そもそも映画化のために20年という歳月を重ねていました…。
そんなことを理解した上で「メリーポピンズ」を見ると、この映画を
今、観られることって本当に幸せな事なんだ…と思わず噛み締めてしまいました。
トラバース婦人の過去を遡ると「メリーポピンズ」の背景が見えてきます。彼女の
幼少期には、苦悩が隠れていて、それをエッセンスにしてできた物語が「メリーポピンズ」です。
バンクスは実の父をモチーフに描かれていたことがわかります。だからトラバース
は大切にこの物語を描きたかった。感じの悪い頑固な父像を押し出したいわけじゃなかったのです。
生みの苦しみを知るウォルトディズニーだからこそ、トラバース婦人の想いをしっ
かりと受け止め、「メリーポピンズ」という名作が生まれたのです。
「ウォルトディズニーの約束」のラストでは「メリーポピンズ」の試写会のシーンがあり、
「メリーポピンズ」の実際のシーンも使用されています。
改めて観ると、ひとつひとつのシーンが更に輝きを増すように感じられました。
ミッキー誕生前のウォルト(2015年公開)
あらすじ
ウォルトディズニーはミズーリ州の農家で育った。子どもの頃から絵が大好きだった。
10代になり、役者を目指すも、アニメが絵の1枚1枚の繋がりで出来ている事を知り、
絵を職としたいと考えた。そして月日は経ち、「Laugh-O-gram」という
アニメーション制作会社を立ち上げた。しかし思うように軌道に乗らず、雇って
いた人々へ給与を払うこともままならなくなった。自身の家賃も払えず、心身ともに疲弊していく。
しかし、アニメーションへの思いだけは消えなかった。ウォルトディズニーの挫折とミッキーの誕生秘話が描かれる。
レビュー
【世界的エンターテイナー、ウォルトディズニーのミッキー誕生前までの苦悩の日々】
こちらはウォルトディズニーがミッキーを生み出すまでを苦労の日々を描いた作品。
「ウォルトディズニーの約束」でどうして、頑固なトラバース婦人を説得することができたのか疑問に思いました。
一筋縄ではいかない頑固な女性を落としたウォルト。ハッピーなエンターテイナーなウォルトしか知りませんでしたが、その前にどんな人物なんだろうという、疑問を持ち、今回鑑賞しました。
この作品で初めてウォルトが苦労人だということを知りました。
創設した会社もなかなか上手く行かず、周りに賃金を払えなくなったり、割とどうしようもない経営者。(笑)
アーティストとしての才能はあるものの、経営者としてはだめだめ。
それでもウォルトは努力をやめず、未来を信じて努力し続けました。そして、その熱い姿に惹かれ、
ついて来てくれる仲間もできた。結果として、実力と自信が相まって、人間として魅力的な人物だったのだろうな…と思いました。
でもミッキーが誕生するまで本当に上手くいかないことばかり。
観ていて辛くなるようなシーンばかりでした。その経験を通して、ウォルトは「生みの辛さ」知ってたのだと思います。
だからトラバースが「メリーポピンズ」という作品をいかに大切にしてきたかも理解でき、
邪険に扱わなかった。20年という歳月をかけて完成までにありつけたのだと確信しました。
まとめ
「メリーポピンズ リターンズ」を見るために私はこの3作品を鑑賞しました。
どの作品もとても魅力的で再度鑑賞して本当に良かったと思っています。
「メリーポピンズ」で改めて、メリーポピンズの魅力を再確認し、「ウォルトディズニーの約束」で、メリーポピンズの作者のPLトラバースの人となり、作品ができるまでの熱い思いを知り「ミッキー誕生前のウォルト」でウォルトディズニーがどうして物語を大切にできるのかー、ということを理解することができました。
この3作品を観ると、「メリーポピンズ リターンズ」をより楽しめるのではないかと思います。
コメント
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