家族をもっと大切にしたくなる映画、「リメンバーミー」をご紹介
2020年2月21日「金曜ロードSHOW!」にて「リメンバーミー」が地上波初登場します。公開当時、劇場IMAXで観たのですが…大号泣。涙が止まりませんでした。大好きな映画の1本です。
いつもより熱量高めでご紹介。
リメンバー・ミー
あらすじ
天才的なギターの才能を持つ少年ミゲルはミュージシャンを夢見ているが、過去のある事が原因で、彼の一族には音楽を禁止されていた。ある日ミゲルは、憧れの伝説的ミュージシャン、デラクルスの霊廟に飾られていたギターを手にしたことをきっかけに、「死者の国」へと迷いこんでしまう。ミゲルはそこで出会った祖先や、陽気で孤独なガイコツのヘクターに協力してもらい、元の世界へ戻る方法を探るが…。
受賞
第75回ゴールデングローブ賞
アニメ映画賞を受賞
第90回アカデミー賞
長編アニメ映画賞と歌曲賞を受賞。やはりピクサー強し…。
ネタバレなしレビュー
涙なしには見られない”ストーリー×音楽”の力
さすがディズニー・ピクサー作品だということは言うまでもないのですが、この映画の何が凄いって【歌】だと思うんです。
実は当時、アカデミー賞で長編アニメーション賞は確実だと思っていたのですが、歌曲賞を受賞するとは思っていませんでした。
なぜならその年は、『グレイテスト・ショーマン』が公開した年だったから。やはり「This Is Me」のパワーは物凄かったので、こちらが受賞すると思っていました。
でも…映画を観てよくわかりました。この「リメンバー・ミー」が歌曲賞を受賞できた理由が…。
歌が物語の一部で、”歌”によって映画自体の輝きが増している
こんな映画あまりないんじゃないかと思うくらい、歌の持つ力が凄まじかったです。
カラフルな死者の世界に心が躍る
もう観ているだけで元気になりそうな、力強い原色の色使い。
特に、死者の世界と人間世界を繋ぐマリーゴールドの橋。
あまりの美しさに涙が出てきたのを覚えています。
メキシコ文化と祖先や家族を大事にする大切さ
この映画を観て、ありきたりではありますが、「祖先や家族を敬う心の大切さ」を改めて教えられた気がしました。メキシコの祭日「死者の日」を題材に描かれた本作。日本の”お盆”をお祭りにしたような、そんな日です。
「007 スペクター」でも「死者の日」が登場しましたよね。
今回この「リメンバーミー」を観て、何気なく過ごしてしまっていたお盆やお墓参りも、ちゃんと意味を考えて過ごさなくてはいけないんだな…と強く思いました。
こういうキッカケもくれるから映画が大好きです。
ネタバレありレビュー
ネタバレを語る上で書いておきたいことがたくさんある!!書いちゃう!!
「死者の日」に人間界にいける死者の条件は?
ミゲルの祖先たちは、「死者の日」にマリーゴールドの橋を渡って、人間界に遊びに行くことができます。
死者の国から人間界に渡るためには、必要なものがひとつあります。
それは、人間界でその人の写真が祭壇に飾っているかどうか。
私たちが海外に行くときにパスポートが必要なように、死者にも祭壇に写真があるかどうかで人間界に出掛けることが出来ます。
"Tonight is about family." #PixarCoco is now playing! Tickets: https://t.co/uQs4dWH33J pic.twitter.com/WLIFtO3kSy
— Pixar (@Pixar) December 3, 2017
確かにミゲルの家にはたくさんの写真が飾られていましたよね。これによってミゲルの先祖たちは人間界に来ることができていたのですね。
死者の国にある2度目の”死”とは?
それは人間界で生きている人から忘れられてしまう事です。
人間界にいる人から忘れられてしまうと、死者の国からも消えていなくなってしまい、本当の意味での”永遠の死”を迎えるわけです。深すぎてるよぉおおお…。(感情爆発)
歌「リメンバーミー」の本当の意味は?
「Remember Me」直訳「私を忘れないでね」「私を思い出してね」二つの意味がありますよね。映画の歌詞では両方の意味で使われています。
死者に対するメッセージだけでなく、死者からのメッセージでもあるわけです。
生きている人が覚えてくれていれば、亡くなった人も”死者の国”で生き続けられるのです。
一緒にミゲルと旅をすることになったヘクターの狙いとは?
ミゲルと共にミゲルのひいひいおじいちゃんを探す旅に出ることとなったヘクター。ヘクターは誰にも知られずに死んでしまったので、ヘクターの写真を持っている人が誰もいません。
そしてヘクターは、自分を知っている人がもうすぐ自分のことを忘れてしまう事に気が付いていました。
…そう、そうなってしまうと、ヘクターは”永遠の死“を迎えてしまうのです。
だからヘクターはミゲルに人間界に自分の写真を持っていて、祭壇に飾ってほしかったのです。
若干、先の見える展開ではありますが、更に衝撃の結末が訪れます。
衝撃の事実が待ち受ける
ミゲルはヘクターと旅をする中で、自分のひいひいおじいちゃんは偉大なミュージシャンである「デラクルス」だと確信していました。
でも実は…一緒に旅をしていたヘクターこそがミゲルのひいひいおじいちゃん。
そして尊敬していた伝説のスター・デラクルスは、ヘクターが作った「リメンバーミー」を独り占めするために、ヘクターを毒殺した犯人だったのです…。
正直、ヘクターがひいひいおじいちゃんなんだろうな…とは思っていましたが…。
ずっと憧れていた存在のデラクルスがひいひいおじいちゃんを殺した犯人だったなんて…衝撃の事実が待ち受けていました。
リメンバーミーはひいおばあちゃんであるココに捧げた歌だった
「リメンバーミー」という曲。それは音楽の道に進むため、家族を置いて家を出るときに、ヘクターが自分の子どもであるココ(ミゲルのひいおばあちゃん)に捧げた曲だったのです。
ミゲルの家の祭壇には、ヘクターの写真はありませんでした。というよりもひいひいおばあちゃんがヘクターの顔写真を引きちぎって飾っていたため、これまでヘクターはマリーゴールドの橋を渡る事ができなかったのです。
そして、ミゲルのひいおばあちゃんココは高齢で認知症でもありました。だからヘクターは”永遠の死”が迫っていたのです。
だからヘクターは自分が永遠の死を迎える前に一目でもココの姿がみたいと思い、ミゲルに写真を渡すようお願いしていたのです。全てが繋がっていた…思い出すだけでも震えます…。
夢を諦めてはいけないと教えられる
音楽を禁止された家で育ったミゲル。(音楽が禁止されていた理由は…ヘクターが音楽をするため家を出てしまったから)でも音楽家になることを密かに願い続けていました。
どんな困難な事があってもその夢を捨てなかったミゲルの強さがあったからこそ、家族がひとつになれたのだと思いました。
まとめ
誰しも大切な人がいて、別れもあります。別れは辛いけれど、心の中で思い続けていれば、自分の中で、生き続けてくれる。そしていつか会えるかもしれない。そんなメッセージ性の高い映画でした。
子どもよりも別れを経験している大人の方がぐっとくるものがあるのではないでしょうか。
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